「テラネット」騒動にひとこと
 「テラネット」という新しい個人信用情報機関ができて、消費者金融業界の中で最大手武富士が「絶対反対」をぶち挙げて以降、なんだか偉い騒ぎになっているこの問題。本来もっと早く意見を示すべきだったかもしれないが、本業での対応に追われてこちらでアップするのが遅れた次第。

●テラネット稼働による影響●
・消費者金融から借りている人がテラネット会員に借りに行くと、テラネットを経由して消費者金融の情報データベースにアクセスし消費者金融から何件借りているか知られてしまう。
・今まで消費者金融を積極的にできなかったクレジット会社や銀行系ノンバンクが市場に参入しやすくなる。


●見解●
・問題は「消費者金融から借りていることが知られてしまうからテラネット会員会社から借りることができなくなる可能性が高い」という事実をどう評価するか。別にテラネットをどうこう言わなくても、元々消費者金融会社は情報機関に問い合わせて借入が多ければ融資を断る。またそれが、貸金業規制法で言うところの「過剰融資を防止するために情報機関を利用して審査をしろ」ということなのだから、テラネット会員が「これ以上貸したら返済能力を超えるな」と判断すれば貸さないのが当然。それがケシカラン、となればとにかく誰にでも目をつぶって貸せ、ということになる。
・どうしてもイヤなら、テラネット会員に借りに行かなければすむこと(借入申し込みがなければ情報を照会されることもない)。しかしこれ、借り手からすると、融資申し込み時に聞かれる他社からの借入に嘘の告知をして借りてしまえ、という行動を促進することにつながらないのか?
・他業態が参入する、すなわち、消費者からすればいろんな金利のいろんな商品を選択する機会が増えるわけで、優良顧客ならより安い金利を享受できる話し。なんでいけないのだろうか。消費者金融業界が反対するのは分かるが、消費者団体まで一緒になって反対する理由が分からない。
・テラネット会員はケシカランのなら、すでに消費者金融系情報センターに入会している大手信販会社の立場はどうなる(ついでに言うなら今や信販会社も立派な銀行系ノンバンク)?そもそも、どの情報センターにどういう企業が入会しているかを消費者に告知してきたか?
・無担保、無保証で融資を受けるそのインフラが「個人信用情報」だという基本を忘れて「プライバシーが全て」と主張するなら、資金需要者は全くそのニーズを満たすことができなくなる。そのバランスを欠いた議論をしても無意味。

  ●マスコミさんにひとこと●
・今まで自己破産増加、多重債務が社会問題化と取り上げるたびに「(多重債務解決のために)全業態のホワイト情報交流が望まれる」と締めくくっていたのはどなた?そのリーダーシップをとっていたU弁護士まで、「情報交流が拡大したら多重債務が深刻化する可能性がある」と先日テレビで言っていたのにはあきれて笑うしかないです。
・その場限りの無責任な主張、で終わらされれば結構だが、マスコミの取り上げ方が政治を動かすのだから、もっとまじめにかんがえてもらいたい。