カウンセリングを正しく知ろう

消費者金融会社が設立した「日本消費者カウンセリング基金」に続いて、消費者金融会社の任意団体である日本消費者金融協会が「金銭管理カウンセリング事業団」を設立。最近やたらと「カウンセリング」が業界の中で話題となっています。でも、消費者の耳にまでは届いていないでしょう。そもそも、カウンセリングって何だ?何のために必要で、どのようなことをするんだ?その辺が消費者に正しく伝わっていないと、カウンセリング機関をうまく活用することもできない。 自己破産の増加に伴い、多重債務から家計が破綻することを未然に防ぐにはどうするか。これまで、行政や学識経験者レベルで繰り返し行われてきた議論の中で、必ず課題のひとつとして上がっていたのが「カウンセリング機能の充実」。自己破産という最終手段をとらざるを得ないような状況になる前に、もっと気軽に相談できる、信頼できる機関があれば、多重債務問題も防止できる、と考えられている。ということは、逆に言うとそうした機関が存在しないということ?実は、債務の返済に困った人が相談できるところは、現在でもいろいろとあります。

たとえば、

●各地の弁護士会が行っている債務相談
●地方自治体の消費者センターなどの相談窓口
●国民生活センターの消費生活相談窓口
●各地の貸金業協会で行っている債務相談
●信販・流通系の債務を主体とする
 日本クレジット・カウンセリング協会
●日本消費者金融協会の救済厚生事業団

と、こんなにある。
それぞれの窓口に一長一短があるのですが、総じていうと、現在の相談は、どちらかというと多重債務の整理に主眼が置かれていて、そのあとの家計コントロールにまでアドバイスが及ばないことがほとんど。だから、また多重債務に陥ってしまう、というケースも多い。それに、借金を否定するようなところから見る人が多いのも、相談しようとする側にとっては敷居が高い状況を生んでいる。もっと、現代の消費生活の中では借金すること(クレジットカードの利用も含めて)を当たり前のこととしてとらえて、家計を自己コントロールする能力を身につける、というスタンスからの相談窓口が必要だ。 というような視点から、改めてカウンセリング機関の在り方を考え、設置していこうとする活動が、上記の基金や事業団設立のねらい。ちなみに、クレジット先進国のアメリカでは、NFCC(全米消費者信用協会)のもとにCCCS(消費者信用カウンセリングサービス)という相談・教育窓口が1200ヶ所で活動している。設立以来50年近い活動の中で試行錯誤しながら相談員の能力向上にも努め、現在では、アメリカでは最も信頼できる相談窓口としてカード会社など金融機関にも消費者の間にも認知されている。 日米の環境の違いもあって、そのまま取り入れればうまくいく、というものではないが、日本の土壌にあったカウンセリング機関を作ろうという機運がようやく出てきたことはこれからの自己責任社会の中でいかに生活していくか、という点から見ても、とっても重要なこと。 カウンセリングという言葉は、もともと精神医学用語。対症療法的な治療では根絶できない心理的要因から来る問題を解決することで、抜本的な治療を行う。借金の問題にこれを当てはめると、債務整理というとりあえずの対症療法的解決ではなく、自分で生活を改善し、豊かな生活を築いていく力を養うためのアドバイスを行っていくことがカウンセラーの仕事。だから、カウンセラー自身がカウンセラーとしての資質を身につけていることを基本に、クレジット、ローンについての正しい知識も持っていなければいけない。カード会社さえなければカード破産は起こらない、なんて言っているだけじゃ、問題は解決されない。 もちろん、多重債務問題の防止には、それ以外の課題もいろいろとあるわけで、カウンセリング機関さえできればいい、というわけではないことは、一言付け加えておきましょう。